刑事事件(公判段階)

 検察官が起訴(公訴提起といいます)した場合、捜査は基本的に終了し、裁判手続が始まります。疑われている人は、被疑者という身分から被告人という身分になります。

 起訴から1か月前後を経過した日に、第一回の裁判(公判期日といいます)が開かれます。検察官が起訴状を読み上げ、被告人が起訴状に書かれた事実を認めるか聞かれます。

 その後、検察官が証拠を提出し、その次に弁護人が証拠を提出します。その後に被告人質問を、弁護人、検察官の順で行います。

 ここまですべて終わると、検察官のスピーチ(論告)、次に弁護人のスピーチ(弁論)、最後に、被告人の最終陳述が行われます。

 ここまでの手続は、被告人が罪を認めている場合は、一回の期日(60分)で行われます。そして、その数週間後、判決言い渡しのための裁判の日(判決言渡し期日)が開かれます。簡易な事件は、証拠調べから判決まで、1回の期日で終わることもあります。

 以上のお話は、被告人が罪を認めている場合のお話です。被告人が罪を認めていない場合、すなわち否認事件の場合は、1年以上かかることもあります。

 

 裁判の間、被告人に逃亡の危険がない場合などは、身柄拘束されません。しかし、多くの事件は身柄拘束をされます(公判段階では、ご存じのとおり、保釈という制度があります。)。

 

 弁護人は、罪を認めている事件の場合、被告人が反省していること、刑務所に長期間行かなくても更生が望めることなどを主張し、執行猶予(刑法25条)や刑を軽くすることを目指します。罪を認めていない事件の場合、検察官の証拠が弱い、あるいは、足りないと主張し、弁論で被告人の無罪を主張します。弁護人の方から証拠を提出して無罪を主張する場合もあるでしょう。

 また、保釈(刑事訴訟法88条以下)を申立て、裁判の間、身柄拘束を解くよう主張します。保釈を得る場合は、保釈保証金が必要になります(刑事訴訟法93条)が、被告人が逃亡などをしなかった場合は返還されます。


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